布とクッションに覆われた車体は好みのデザインに“着せ替え”可能
コンパクトに移動・駐車ができ、環境にやさしい超小型EV「rimOnO(リモノ)」
株式会社rimOnOは、可愛くて誰でも愛着をもてる超小型モビリティ「rimOnO(リモノ)」を提供している。rimOnOは20-30キロで走行する布製ボディのモビリティだ。
近年、高齢化が進むにつれて様々な弊害が発生している。例えば高齢者が運転する際に、アクセルとブレーキの踏み間違いなど様々な事故が起きている。そのため、高齢者は車で出かけたがっているのに、家族は高齢者が普通の車で出かけることを嫌がっている、ということも珍しくない。また家族が病気や怪我をした場合、高齢者が家族を病院まで連れて行かないといけない状況もあるだろう。
このような課題をrimOnOなら解決できる。rimOnOはバイクのようなバーハンドルのため踏み間違えが起きない、さらに布製のためぶつかっても車が傷つかない、高齢者にとっての安全な乗り物だからだ。このことを知った高齢者やその家族からrimOnOを購入したいという声が多く届いている。
最近は若い人の車離れも進んでいると言われているが、この理由のひとつに若者のニーズにマッチした乗り物が提供されていないということが挙げられる。この問題もrimOnOなら解決できると思っている。rimOnOは外装のデザインを変えて個人の好みに合わせた乗り物を提供できるからだ。
rimOnOは社内のカーデザイナーを抱えているが、顧客が独自にrimOnOの外装を壁紙のようにデザインできるようにもなっているのだ。顧客は自分が気に入った世界観に合わせたがモビリティが運転できるので、オリジナルデザインの外装は好評だ。
またrimOnOは、一般の人たちにrimOnOに触れていただく機会を作るため、クラウドファンディングのキャンペーンの一環として百貨店での展示を行っている。実際に展示会に足を運んだ23歳の女性で、今までは車はいらないと考えていたがrimOnOなら欲しくなったという声もある。
①公共交通機関
地方には2時間に1回しかバスが来ないなど、交通機関が充実しておらず観光の需要が伸びない場所が多くある。電車で目的地の近くまで行けないため、場所が魅力的でも観光客が来ないのだ。
そこでrimOnOと公共機関とで提携して、観光客に目的地の近くまで公共交通機関を使って来てもらい、そこからrimOnOを使ってもらうといったことを提案したい。rimOnOがラストワンマイルを補完し問題を解決することで、観光の需要が伸びるのではないかと考えている。
またrimOnOは、観光客向けの用途だけでなく、地方に住んでいる人の新たな足にもなることで街づくりにも貢献していきたいと考えている。
②営業用車両
rimOnOの外装はオリジナルデザインで作成できて着せ替えも可能なため、営業用車両としても使用できる。つまり、rimOnOは企業のマーケティングやブランディングに役立つのだ。また、rimOnOをそもそもの小売店としての商材にもできる。
③素材メーカー
rimOnOは素材メーカーとのコラボレーションも行っている。素材メーカーでは、新素材を開発しても、利用実績や具体的な利用方法が明確でないと大手メーカーにとりあってもらえないという悩みを抱えている。
rimOnOはまだ開発中であり、そのため様々な試作品を作成することができる。試作品を新素材を用いて作成し、その素材が実際に使用できることが証明される。つまり、大手の自動車会社との商談にも役立つのだ。
実際に、展示会に新素材を使ったrimOnOを出展したこともある。その後、素材メーカーと大手の自動車会社との商談の機会につながったケースもあるので、rimOnOに新素材を提供したことは効果的だったと言える。
若者から高齢者まで多くの方からrimOnOの購入希望の連絡が絶えないが、まだ実用化には至っていない。現在rimOnOは公道走行試験用の車両の開発を進めようとしており、クラウドファンディングによる資金調達に挑戦しているところだ(編注:2017年6月現在)。
開発を早く進めていくために、資金面や技術面で支援をしていただける企業と是非コンタクトを取っていきたい。
株式会社rimOnO 代表取締役社長 伊藤 慎介 氏
京都大学大学院修了後、通商産業省(現経済産業省)に入省。自動車、IT、航空機、などに関連する業務に従事。その後、省内でできることの限界や電気自動車の可能性を感じ、15年の勤務を経て同省を退官。2014年9月、工業デザイナーの根津孝太氏とともに株式会社rimOnO(リモノ)を設立。代表取締役社長に就き、2016年5月にプロトタイプ第1号を発表。現在は市販化に向けた開発に尽力している。
(伊藤氏掲載HPより引用)