野菜や果物の鮮度を従来の2倍もキープ可能
天然由来成分で作られた非常に安全性の高い青果物鮮度保持剤「タンカフレッシュ」
株式会社炭化は、成果物の鮮度ロスを防いで食料ロスをなくす製品を開発している。
農産物の課題のひとつに食料ロス率の低減が挙げられる。食料ロスが起きると資源効率が低下、ひいては利益率が悪化してしまうからだ。
食料ロスには様々な原因があるが、そのひとつに鮮度ロスがある。実際には、日本では45%、ベトナムでは75%の青果物で鮮度ロスが起こっている。この原因は主に温度管理・気体管理・雑菌対策ができていないためだと言われている。
上記の鮮度ロスの問題を解決するために株式会社炭化は、青果物鮮度保持剤の「TANKA FRESH」、光触媒を応用した「TANKA FRESH UV」を提供している。
TANKA FRESHを用いると農産物を7−30日と、長期間の鮮度保持が可能になる。TANKA FRESHの中に入っている竹炭や日本茶高濃度カテキンが、エチレンやアンモニア、アセトアルデヒド等の鮮度ロスを促す有害な気体を吸収するからだ。現在、日本や中国、アメリカなどで国際特許・商標登録されている(編注:2017年5月現在)。
TANKA FRESH UVは、TANKA FRESHと光触媒を組み合わせたもので、農産物を3-16週間の間、鮮度保持できるようにするものだ。光触媒には大気浄化、脱臭、防腐、浄水、抗菌を促進する作用があり、長期間の鮮度保持を可能にする。
TANKA FRESH UVは、特に輸送業で用いられ、実施に効果を体感していただいている。
①レタスを長距離トラックで長野から佐賀に4日間かけて輸送した際や、鉄道で東北から北九州に6日間かけて輸送した際もロス率を0%にできた。
②海外への船便での輸送にも使われており、日本から香港やシンガポールに20日間かけて輸送した際や、日本からカナダに30日間かけて輸送した際にもロス率を約5%にすることができた。
TANKA FRESH UVはコスト面でも利点がある。他の鮮度保持剤と比べて、最大で数十分の1の費用で使用可能なのだ。航空輸送に比べコンテナ船でのTANKA FRESH UV輸送は設置費やランニングコストが安いため航空運賃の20分の1にすることができた。この例では結果的に海外輸送物流の利益率向上に繋がっている。
TANKA FRESH UVはIoTにすることもできる。炭酸ガスは鮮度の天敵なのだが、TANKA FRESH UVが炭酸ガスを吸収する際にその濃度を測定し、必要に応じて炭酸ガスに対処できるようにしたのだ。これにより倉庫での青果物の効果的な管理が可能になり、TANKA FRESH UVは貯蔵時の鮮度保持に役立っている。
さらにTANKA FRESH UVの IoTでの運用はコスト面でも利点がある。今まで青果物を貯蔵する際には、CA倉庫(編注:新鮮さを長期間保つことができる貯蔵方法を用いた倉庫)が使われていたのだが、これには運用コストが大きくかかっていた。TANKA FRESH UVのIoTを用いると、そもそもCA倉庫のような大掛かりな設備が不要となり、結果的に10分の1程度のコストで青果物を保管することができる。
今後炭化は、生産から消費者に届くまでの鮮度ロスを減らすため、各分野の商社に製品を提供していきたい。
また炭化は、倉庫における鮮度保持システム技術の向上のためにTANKA FRESH UVのIoT化の開発パートナー、データ蓄積のための実証実験のパートナーも探している。
そして、炭化は食品の鮮度保持を助けて、「おいしい」を世界に届けていく。
株式会社炭化 代表取締役社長 入江 康雄 氏
1949年生まれ。1975年福岡大学工学部土木工学科卒業後、竹中土木入社。 2010年竹中土木を定年退職。 2012年株式会社炭化を設立、取締役副社長就任。2014年同代表取締役就任。 2015年、ガイアの夜明けや日経ビジネス等各種メディアで注目を集めるとともに、 九州ニュービジネスアントレプレナー賞、さがラボチャレンジカップ2015最優秀賞、 九州未来アワード第2回大賞などを受賞。
(入江氏掲載ページより引用)