“世界”に通じる新しいMANGAコンテンツを流通させる
漫画家のクラウドソーシングとディレクションサービス「フーモア」
株式会社フーモアは「クリエイティブで世界中に感動を」という理念のもと、漫画家・クリエイターのクラウドソーシングとディレクション体制を整え、各種クリエイティブコンテンツを制作している。
自社のクラウドソーシングプラットフォームに登録している約6000名のクリエイターと社内の企画ディレクターや漫画家、イラストレーターで制作するコンテンツは多岐にわたる。例えば、ゲーム向けのイラストやto Cのオリジナル漫画、女性向け漫画のアプリなどを制作している。特に2016年12月にリリースした女性向け漫画アプリは、リリース5ヶ月で70万DL、iOSブックカテゴリ4位、Androidコミックカテゴリ9位を達成している(編注:数字は2017年6月現在)。
また「クリエイティブで世界中に感動を」を実現するために、全世界6言語に対応した恋愛ノベルアプリもリリースしている。こちらは世界で120万ダウンロードを達成し、現在もどんどん伸びている状況だ。
さらにto B事業として、ハイクオリティなコンテンツが制作できる強みを生かした、企業向けのプロモーション漫画も手がけている。近年、大手企業から官公庁まで様々な法人が、ブランディングやマーケティングに漫画を用いていることもあり、この事業は現在急激に伸びている。そこで今回はto Bのプロモーション漫画制作を中心に紹介する。
近年、企業による漫画の活用が増加しているのは、漫画がただのエンタテーメント領域にとどまらず、コミュニケーション領域としての活用可能性を見出されているからだと考えている。そこで私(フーモアの芝辻代表)は、このようなエンタテーメント×コミュニケーションという新しい概念を「エンタメケーション」と定義した。
複雑なことを学んだり難しいことを相手に伝える際には、相手が理解できるように伝えていかなければならないのは当然だ。また、伝える内容の複雑さが上がれば上がるほど、伝える側の力だけでなく、理解する側の力も必要となってくることは間違いない。例えば、ビジネスにおいて商材が非常に難しく、顧客に価値を伝えるのが難しいというケースがあると思うが、このようなシーンにエンタメケーションを活用することで、企業と顧客のギャップを埋めることが可能となるのだ。
今後は消費者にとっても理解しにくく、企業にとっても扱いにくい商材やサービス(例えばビットコインなどが挙げられる)が増えてくると考えられる中で、エンタメケーションの需要が伸びてくるだろう。そこでフーモアは、エンタメケーションを切り口に事業を拡大しているのである。
to Bのエンタメケーションの領域での事例をいくつか紹介したい。
①女性顧客の開拓・定着への活用
大手ネット銀行では女性顧客をターゲットとして、エンタメケーションを活用している。当該企業では、カード・ATM・店頭・アプリにおける無機質なお金のやり取りを、イケメンコンテンツというエンタメでコミュニケーションを図り、ユーザの獲得と定着を図っているのだ。
②社内報・研修資料への活用
大手損保では社内報・研修資料がエンタメケーションを用いて作成されている。これは、エンタメケーションが対顧客だけでなく、社内での活用にもその価値が見出されているケースだ。当該企業においては、社内のコミュニケーションとして社内報などがかつて配られていたものの、文字だらけの資料だったため全く読まれていなかった。そこで、こうした社内資料を漫画形式にして配布すると、非常に好評で結果的に社内が活性化された。結果として社内のコミュニケーションコストを下げる事に成功したのだ。
今後もフーモアは、主に金融商品などの難しい商材を扱っている企業などにエンタメケーションを導入し、コミュニケーションの障壁を下げる手助けをしていきたい。
株式会社フーモア 代表取締役CEO 芝辻 幹也 氏
東京工業大学・同大学院卒業後、2009年アクセンチュア入社。大規模システムのPMO、大手小売業のBPRのプロジェクトに参画。その後、ルームシェアメンバーとシェアコトを創業しグルーポン系サイトを立ち上げる。同事業譲渡後、トライバルメディアハウスに入社しソーシャルメディアマーケティングを学ぶ。2011年11月株式会社フーモアを創業し同社代表に就任。趣味は理論物理学(最近は専ら超紐理論)イラスト・漫画作画。密かに漫画家を目指している。
(フーモアHPより引用)
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