各種データをリアルタイムで自動収集・解析し融資審査
毎日の資金繰りの心配をゼロにするオンライン完結融資サービス「LENDY(レンディ)」
株式会社クレジットエンジンは、小規模事業者向けのオンライン融資サービス「LENDY(レンディ)」を提供している。
LENDYの仕組みは、クレジットエンジンが調達してきた資金を小規模事業者に融資を行うというものだ。近年、オンライン上の審査情報を収集する事業者は増加しているものの、そのオンライン情報に基づいて貸付までを一手に担う事業者は存在していなかった。しかしクレジットエンジンは貸金業事業者として登録しているため、審査情報を集めるだけでなく融資まで行うことができる点が特徴である。そして、その融資もオンライン完結型で行うことができるため、LENDYは新しいカタチの金融機関と言えるだろう。
クレジットエンジンの大きなテーマは「新しいリスクモデル(審査モデル)を構築する」で、それに基づいてLENDYでは審査から融資までをオンライン完結で行っている。
従来、小規模事業者が資金調達をする際は、事業計画書や資金繰り表などの資料に基づいて行われていた。そのためそれらの資料作成は、事業者にとって大きな負担だった。他方LENDYの新しいリスクモデルは、事業計画書等に基づいてではなく、業務ツール(電子決済やクラウド会計システム、ネットバンキング等)やお客様との接点(評価サイトや予約サービス等)のオンライン化により蓄積された相当量のデータを機械学習で分析して行うのだ。
このようなデータを活用すれば、貸付け側は十分確証のある審査が可能だし、借入れ側は資料を作成する手間が省ける。しかし、そのような細かいデータを収集したり、リスクモデルを構築しても実際に融資を行う人がいなかったら意味がない。従ってLENDY自身が貸⾦業登録事業者として融資までを行っているのだ。
小規模事業者の中でも個人事業主や人数の少ない中小企業、飲食店、小売業、美容室等は特にLENDYのイニシャルターゲットとなるだろう。
事業者がLENDYに登録すると、借入可能額が表示される。
この借入枠は各種サービスと連携することで、条件が良くなる可能性がある。
借入枠は、通常中小企業がなかなか使えない当座貸越の代替になるし、当座貸越のバックアップにもなる。借入枠の維持手数料自体は無料で、実際に借入した際には利息を支払うシステムとなっている。
現在はベータ版を提供している段階なので借入可能額は最大100万円、期間は最大3か月に設定している。最終的には、1000万円程度まで貸し出せるようにしていきたい。
貸金業界はこの10年間で大きく変わってきた。過払い金請求の結果、貸金業登録事業者の数は1万8000社から2000社までに減っているし、事業者向け融資残高も20兆円から8兆円まで減少している。これに伴って、中小企業の借入の選択肢は次第に少なくなってきているため、この現状をLENDYが補っていきたい。
ローンチから2か月ほどが経過したところだが、今後も新しい金融のカタチを広めて、将来的には他の金融機関など様々な事業者と提携しプラットフォーム化を目指していく。
株式会社クレジットエンジン 代表取締役 内山 誓一郎 氏
慶應義塾大学経済学部卒。2007年より都市銀行において、不動産業を中心にコーポレートローン、ストラクチャードローン業務に従事。その後、仙台市に転居し、東日本大震災後の復興支援事業の立ち上げを行う。2012年より米国UCLA Anderson School of Businessに留学し、在学時には現地のベンチャーキャピタルでのインターンや、仮想現実(AR)関連技術のスタートアップに参画。帰国後株式会社マネーフォワードに入社し、業務支援サービスの営業や事業開発、家計簿サービスの事業提携などに従事。2016年に株式会社クレジットエンジンを創業。
(内山氏掲載HPより引用)