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日本最大級の台湾・香港向けインバウンドメディア「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」
株式会社ジーリーメディアグループは、日本最大級の台湾・香港向けインバウンドメディア「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営している。
近年インバウンドがさらなる盛り上がりを見せる中で、ジーリーメディアは「訪日外国人」という呼び方にいつも違和感を覚えている。それは、欧米系と中華系では行きたい場所は全く異なるし、中華系の中でも中国人と台湾人ではさらに違ってくるからだ。これをすべて一緒くたにして「訪日外国人」でまとめてしまうのは、非常に荒いマーケテイングになることは間違いない。
各企業が訪日外国人という広いターゲットで事業を展開する中、ジーリーメディアは中国語の繁体語圏である台湾・香港のみにターゲットを絞ってインバウンドメディアのラーチーゴーを展開しているのだ。
なぜ台湾・香港にターゲットを絞ったのかというと、訪日客数自体は中国や韓国からの方が多いものの、総人口に対する訪日客数の割合が最も高いのが台湾と香港なのである。つまり多数の台湾・香港人は来日する可能性が高いため、彼らをターゲットとしたインバウンドメディアには多くのニーズがあると考えたためだ。
メインの事業はラーチーゴーだが、その他にも、以前(代表の吉田氏が)放送局に勤務していた経験を活かしてテレビ番組の制作や、ラーチーゴーで反響を呼んだものを現地で販売するアンテナショップも展開している。
その中で今回紹介する台湾・香港人向けのwebメディア、ラーチーゴーは、月間ユーザ数約90万人を誇っており、近いうちに100万人を達成する予定だ(編注:数字は登壇時点)。
インバウンドメディアは、近年のインバウンドブームの中で増加傾向にあるが、ラーチーゴーがここまで多くの方にご利用いただいているのは、他のサイトとの差別化が図れているからだ。基本的に多くのインバウンドメディアは、日本語のコンテンツを英語や中国語、タイ語などに翻訳して流すというプロダクトアウト方式で制作している。これでは、日本人が日本人の視点で良いと思うものを外国人に押し付けているようなものだ。
他方、ラーチーゴーではすべての記事やコンテンツを、ゼロベースでネイティブの台湾・香港人が作り上げているのだ。東京にある台湾・香港人で構成される編集部は常に台北などにある現地の編集部とつながっており、特集してほしいモノの取材をリアルタイムで行うことができる。
私(ジーリーメディア代表の吉田氏)は中国語も堪能であることもあり、台湾でのメディア露出も多く、ラーチーゴーの知名度向上にもつながっている。また、ラーチーゴーのFacebookページは台湾・香港において、合計56万ものいいね!数があり、エンゲージメントも他のインバウンドメディアよりダントツに多く、現地で愛されているメディアとなっている。
今までジーリーメディアは、台湾人目線でコンテンツを提供するラーチーゴーなど旅マエに注力した事業展開を行ってきた。今後は、ラーチーゴーが保有する毎月90万人ものユーザに対してバスツアーやアクティビティ、コンサートチケットの販売するなど、旅ナカ・旅アトにも事業領域を広げていくつもりだ。
株式会社ジーリーメディアグループ 代表取締役 吉田皓一
奈良県出身。防衛大学校を経て慶應義塾大学経済学部卒業後、朝日放送入社。テレビ営業部で3年勤務したのち退職。現在は東京と台北を往復しながら、台湾と日本をつなぐ仕事をしています。趣味は酒と飯です。車・バイク・時計・ゴルフ等お金のかかる趣味は一切興味なし、ただひたすらに美酒と美食を求めて日本全国と台湾を巡っています。(HPより引用)