獣医師が執筆・監修するペットメディア「ペトコト」
保護犬・保護猫と飼いたい人をつなぐマッチングサービス「OMUSUBI(おむすび)」]
株式会社シロップは、保護犬・保護猫と飼いたい人のマッチングサービス「OMUSUBI(おむすび)」を運営している。
現在、日本では1300万世帯がペットを飼育しており、これは4世帯に1世帯がペットと暮らしている計算だ。しかしその裏では、多くの犬や猫が人の手によって殺処分されているという現実があり、大きな社会問題となっている。
この問題が発生している原因は、ペットショップで売れ残りになってしまったり、飼い主が飼育を放棄するといったことだ。そのような動物たちは、保護犬や保護猫と呼ばれNPOや行政によって保護されており、新しい飼い主を待っている。しかし、保護犬・保護猫の多くは新しい飼い主と出会うことができず、年間8万匹、1日にして220匹が殺されてしまっているのだ。
私(シロップの大久保代表)が飼育しているコーギーも元々は保護犬だった。最初はペットショップで販売される予定であったが、足が内股気味という理由だけでペットショップには置いてもらえず、保護犬になってしまっていた。このように、ほんの些細な理由だけで動物たちは、死の危機にさらされかねないのだ。
この問題を解決するために東京都知事を筆頭に、行政や著名人が殺処分ゼロをテーマとして活動を始めている。それにより殺処分数は減少しているものの、新しい飼い主が見つかる割合は未だ低いままだ。 そこでシロップは、保護された動物を自分のペットとして迎え入れる文化を根付かせるべく、保護犬・保護猫と飼いたい人のマッチングサービスOMUSUBIをリリースした。
OMUSUBIの仕組みはシンプルだ。NPOや行政がまず、保護している犬や猫の情報をOMUSUBIに掲載する。ペットが欲しい人は、その情報をみて自分の買いたい犬や猫を選び、実際にお見合いをする。そして2週間の試し飼い期間を経て、本当に自分で飼えるのかを確認し、最終的にマッチングが成立となる。この試し飼いシステムがOMUSUBIの提案する新しいペットの飼い方で、従来のペットショップとは異なる特徴的な点だ。
OMUSUBIのマネタイズは新しい飼い主から頂く仲介手数料だ。2016年の12月にサービスリリースをしてから応募数は何倍にも増えており、それに応じてマッチング成立も増えてきている。 シロップはNPOではなく営利企業として、この問題に取り組むことに意義があると考えている。利益をしっかりと出して、ペット市場でシェアを拡大していく事がこの問題を解決する一番の近道なのだ。
現在、シロップの事業はOMUSUBIだけではなく、ライフログアプリ「HONEY」や専門メディア「ペトこと」、遠隔相談「ペトことクリニック」などのサービスも併せて展開しており、飼い主との接点をどんどん増やしている。
次の展開として、ペット向けサプリメントを手がける予定だ。アメリカではペット向けサプリメント市場が急激に成長しているが、ペットの高齢化が進んでいる日本でもサプリメント需要が拡大することが予測されている。そこで2017年の夏頃から、関節の名医が監修したペットのサプリメントを一般販売する予定だ。
シロップは最終的にはペットのゆりかごから墓場までをトータルサポートするプラットフォームとなることを目指している。ペットを飼う入り口は「OMUSUBI」、ペットの飼育プラットフォームは「ペトこと」として2大ブランドを立ち上げていく。今後はブリーダーのマッチングサービスや先ほど挙げたサプリメントなどにも事業を拡大していく予定だ。
株式会社シロップ CEO 大久保 泰介 氏
2012年同志社大学経済学部卒。大手IT系企業にてグローバル・新卒採用プロモーション、採用戦略、財務管理会計を経験。大学在学中に英・ロンドンでサッカーをする傍ら、ユニクロで+Jプロジェクト等のプロモーション業務に携わる。日本において人とペットが一緒に暮らしづらい環境であることを実感し、2015年にシロップを創業。
(株式会社シロップ HPより引用)