不動産の変化データを取得し不動産仕入れの見込み客を発掘
業務を効率化する登記簿謄本情報取得サービス「不動産レーダー」
株式会社トーラスは、登記簿謄本の変化データを取得し、不動産仕入れの見込み客獲得を支援する「不動産レーダー」を提供している。
私(木村代表)はもともと銀行で富裕層の新規顧客開拓に携わっており、富裕層に効果的な営業手法を登記情報から導き出しITで効率化できるのではないかという事に気付いた。これを実現したものが不動産レーダーである。
不動産登記簿謄本からは様々な情報を見抜くことができ、不動産営業のタイミングやニーズを把握することが可能なのだ。登記簿は誰でも取得できるものではあるが、個人や自社が自力で対応するには限界がある。そこで不動産レーダーが日本中の登記簿情報を収集、整理してデータ化しているのだ。これにより、どこにどのような優良な顧客がいるか、いつのタイミングで営業に行けば効果的なのかということまで導き出すことができるようになるのだ。
不動産レーダーはまず、不動産事業者に使っていただける。不動産事業において一番大事なのは不動産の仕入れであるが、優良な不動産ほどオーナーは売ろうとしない。しかし、相続の時だけは事情が変わってくる。いくら良い土地であっても相続税を払うときには資金化しなければならないからだ。このタイミングで優良な不動産が売りに出され、不動産レーダーならそれを把握することができる。
例えば、世田谷区では1か月間に相続がどれくらい起きているかを調査したところ、不動産レーダーを用いると500件ほどの検索結果が確認できた。
この内の1つをクリックすると住所や所有者など、その不動産情報が深堀でき、どこにどのようなオーナーがいて、どのようなタイミングでアプローチすればいいのかという事が一目瞭然になるのだ。
また金融機関の方にも使っていただけると考えている。現在マイナス金利であり、住宅ローンの借換えニーズが非常に大きい。登記簿情報からは、そのローンが金利の高い時に組んだものかどうかが間接的にわかるため、それをもとに借り換えニーズの有無を把握することが可能となるのである。
この分野のマーケット規模はおよそ400億円だが、この中でシェア10%程度を目指していきたいと考えており、現状としては右肩上がりでユーザが増加している。今後も不動産レーダーで、富裕層向け不動産営業の分野に大きなインパクトを与えていく。
株式会社トーラス 代表取締役 木村 幹夫 氏
1966年、福岡県出身。慶応義塾大学経済学部卒業。都市銀行のIT部門に所属し、Webビジネス初期(97年)からWeb系システムの企画・構築に従事。社内情報系システムの大部分をイントラネットで刷新させる。その他巨大銀行合併のマネジメントシステムを3ヶ月で短期開発。
2003年に株式会社トーラスを設立。Webを利用した営業支援システムのコンサルティング、開発に従事。Webシステムの企画・構築およびユーザビリティの研究では10年以上の実績あり。2006年に「見える化くん」を開発(国際特許出願中)。第六回MIT ビジネスプラン・コンテスト・イン・ジャパンでファイナリスト入賞。(株式会社トーラス HPより引用)