人間と自然なコミュニケーションを取れるような汎用人工知能を開発
ニューロンを模倣した独自の「ニューロコンピュータ」
株式会社日本人工知能研究開発機構(JAIRO)は、人間と同等な知的活動ができる汎用人工知能「ニューロコンピュータ」を開発している。
現在、人工知能の研究開発を行っている事業者はたくさんいるが、その99%が開発している人工知能は人間のやっていることをプログラムで部分的に実現する「専用人工知能」である。しかし、これでは人間と同じすべての知的活動を再現することはできない。JAIROが開発するのは、人間の脳の仕組みを模倣した、人間と同等なことができる汎用人工知能なのである。
ニューロコンピュータは、人間の最も知的な機能を司る大脳の中で情報伝達を行うニューロンのネットワークを模倣している。もちろん、このニューロンの仕組みだけでなく、様々なハードウェアやプログラムなども組み合わせたハイブリッドでニューロコンピュータを実現していく。
JAIROの代表は、大手総合電機メーカーで非ノイマン型コンピュータという現在普及しているコンピュータとは異なるシステムを開発していた。JAIROが開発しているニューラルネットワークを模倣した汎用人工知能は、モノづくりの観点から見ると非ノイマン型のコンピュータの作り方に共通しているところが多く、現在の研究開発に活きているのだ。
汎用人工知能はビッグデータを必要とせず教材を自動学習していくため、規模の小さい事業会社でも活用することができる。さらにデータのみならず、プログラムやアルゴリズムでさえも学習していくことができるため、最終的にはこのような強みを活かして1ヒューマンレベルのニューロコンピュータを開発したい。また、この技術は2017年の3月に出願予定であり、ほぼ確実に特許の取得が可能とみられている。
ビジネスモデルとしては、JAIROがハードウェアと汎用人工知能を提携企業に有料で提供する。提携企業は、各社に必要な専門知識を人工知能に学習させることで、便益を享受することができるという仕組みだ。
JAIROが開発しようとしている人工知能は、人間よりも劣っていたり、人間の一部を代替できる人工知能ではない。人間に全く劣らず、同じように稼働する人工知能なのだ。