サークルイン株式会社は、面倒な輸出入作業を効率的にする、国際物流のウェブフォワーディングサービス「shippio(シッピオ)」を開発している。 国際物流を簡単に説明すると、トラックなどで空港や港に運ばれてきたモノが、空港や港近くの倉庫で保管され、通関等を経て飛行機や船に積まれて海外へ運ばれていくというものだ。ここには3つの問題が存在している。
・価格構成が不透明 輸出入業務を行うとしても、請求書/Invoiceに表記されている金額を気軽に比較することが難しく、提示されている値段がマーケット価格やサービスクオリティに対して高いのか安いのかが一目見てもわからない。特に立場の弱い中小事業者は結果として、提示された値段を支払うほかないという状況が起きている。
・選択肢が限られている 大手企業をのぞき、特に地方の中小輸出入事業者は、長年取引があるブローカーや、(極端な話)町に1つしかない商社やフォーワーダー等を利用して海外との取引している状況が散見される。他に、見積もりを取りたかったり、他業者のサービスクオリティを知りたいとしてもインターネット等には情報が少なく、結果として流動性の低い市場になっている。また、フォーワーダー側も個別営業にさけるコストが限られており、どこに需要を持っている荷主がいるのか、を見つけにくい構造となっている。
・非効率な事務作業 現場の倉庫では自動化ロボットなど、少しずつテクノロジーの導入が進んでいる例も見受けられる。しかし、貿易事務の現場では、未だ電話とファックスとメールが用いられており、本質的にはこの数十年間オペレーションが変わっていない(テクノロジーを導入すれば効率性をさらに高められる余地がある。)
上で挙げた問題点を解決するのがsippioだ。下の図は荷主から見た画面だが、このプラットフォーム上で自社貨物の状況管理・本船動静・必要書類の期限・履歴管理等から、フォーワーダーへの見積依頼までを可能としている。 現在ベータ版を、いくつかの企業に使って頂きテストしているが、1シッピング当たり平均3~4割ほど業務時間を短縮できる。またシッピングコストでは10-15%程度を削減できる見込みだ。
現在サークルインは、「ITの力を使って、もっと身近に、もっと世界で商売を」というミッションのもと、テクノロジーを駆使した次世代国際物流サービスshippioにより、世の中の貿易事業に貢献していく。