Knotは、80年ぶりのmade in Japanの腕時計ブランド。ベルト とフェイスを7,000種類のコンビネーションからカスタムオー ダーできる。SPA方式を採用しコストの大幅削減も実現した。 「ジャパン・クオリティで日本と世界をむすぶ」MUSUBUプロ ジェクトでは日本の伝統工芸を活かした商品開発も実施。 2017年にはアジアを中心に、グローバル展開を 予定している。 日経ビジネス「次代を創る100人」にも選出。
株式会社Knotは日本の伝統工芸や文化を腕時計の素材や技術に取り入れた、メイドインジャパンのカスタムオーダーウォッチを世界に発信していくために創業した。日本の腕時計は、かつては低価格なのに高品質で「Japan Quality」と評価され世界で愛用されていたが、現在は非常に高価なものとなり、特にアジア地域の方には手が出ないものとなってしまった。また、大手メーカーの生産拠点が海外に移転してしまったために、その「Japan Quality」の腕時計を生み出す日本の製造現場は失われてしまった。「結ぶ」や「絆」という意味をもつKnotは、低価格かつ高品質な日本製腕時計で世界と日本を再び結び、ますます世界中からワクワクされるようなブランド、製品、そしてサービスの開発を目指している。
日本製の腕時計を海外に広めていくために、失われた製造現場を復活させる事が重要だ。復活させるためには安定した受注や生産が必要であり、それらの安定した仕事を日本の製造現場に提供するためにKnotは以下の3つのテーマに取り組んでいる。
1.日本のものづくりと世界を結ぶ
2.カスタムオーダーで世界中のユーザーを結ぶ
3.生産者とユーザーを直接結び、市場価格の1/3を実現する
1つ目は「日本のものづくりと世界を結ぶ」だ。日本各地には非常に優れた素材があり、それを生かす技術を持つ職人がいる。この職人とコラボレートして日本の伝統工芸などの文化を時計の素材に取り入れて海外に発信していく。Knotはこのような日本のものづくりと世界を結ぶ取り組みを「MUSUBUプロジェクト」として行っている。
例として、栃木県の世界最高レベルの皮メーカーとコラボレートした腕時計ベルトだったり、Knotのフラッグシップモデルである機械式腕時計のケース部分(編注:腕時計の外側の容器)の製造は日本最高峰の金属加工メーカーとコラボレートして実現している。
2つ目は「カスタムオーダーで世界中のユーザーを結ぶ」だ。世界中には様々なライフスタイルやファッショントレンド、テイスト等により様々なニーズがある。このようなニーズの違いに対応するためにKnotは、時計本体とベルトを別々に注文できるカスタムオーダー方式を採用している。また、Knotのベルトに内蔵されている「イージーレバー」という特殊なスプリングにより、ベルトが簡単に本体から取り外せる。そのため、その日の洋服に合った時計のカスタマイズも可能だ。現在時計のベルトは240種類、時計本体は40種類、それに時計の金具を合わせると全部で7000通りのカスタマイズを楽しむことができるようになっている。
そして3つ目が「生産者とユーザーを直接結び、市場価格の1/3を実現する」だ。腕時計を作るに際しては、従来は多くの中間業者が入っていたために、価格が高くなっていた。そこで私たちは、このすべての流れをKnotがワンストップで行う、腕時計のSPAシステムを構築することで、世界中に日本製の腕時計をリーズナブルな価格で提供することを可能にしている。
2014年にKnotを創業し、時計本体は2014年には4000本、2016年には115,000本を製造するまでに至った。ベルトは2014年の6,000本から、2016年には170,000本以上の製造をしている。また、海外のメディアにも非常に多く取り上げられたことで、2014年にはわずか28か国であったwebサイトへのアクセスが2016年には90か国にまで伸びており、2017年はリアル店舗の出店も含めてグローバルマーケットにさらに注力していきたいと考えている。