水を一切使わずブラシのみで清掃を完了
自走式ソーラーパネル清掃ロボット
株式会社未来機械は、主に中東やインドなど乾燥地域のソーラーパネルを清掃するロボットを開発している。近年、中東やインドにおいてメガソーラーの設置が進んでいる。これらの乾燥地域は日本に比べて1.5倍~2.0倍の豊富な日射量があるが、降雨量が少ないためにパネル上に砂がたまり、1ヶ月で発電効率が約10%~15%程度落ちてしまう。また、40度を超えるような高熱地域では、手作業での清掃作業は不可能である。
そんな課題を解決するのが、未来機械のロボットだ。センサーでパネルを認識しながら自走し、水を一切使わずブラシのみで砂を掃き出すことができる。このロボット技術は未来機械特有のものであり、特許により保護されている。
一口にソーラーパネル清掃ロボと言っても、環境によって取り付けるブラシの形状や種類を変えなければならない。現地に行ってテストを繰り返し、フィードバックを受けながら、このロボットを開発した。
その結果、中東の大手発電会社での実証実験では素晴らしい評価を受けている。また、メンテナンスのサポート体制も充実させている。メンテナンスは、年に1回ユーザー自身でブラシを交換してもらい、未来機械のトレーニングプログラムを受けた業者の点検を3年に1度受ければ済む。
現在ドバイにあるあるソーラー発電所は13MW(メガワット)の発電が可能であり、ここ1箇所だけでも2020年までに800MWまで拡張される予定である。これを発電するためにはソーラーパネル100万枚以上が必要となる。この地域だけでもロボットは少なくとも数千台の需要を見込んでいる。また、日本などの非乾燥地域においても、例えば塩害によって汚れたソーラーパネルを清掃するなどのニーズがある。
従来の屋内清掃ロボットは砂や高温に弱いという弱点があったが、未来機械のロボットはそれを克服してきた。このように、未来機械は厳しい環境でも稼働できるロボットを開発する技術がある。
この技術を活かし、インフラメンテナンスや、人の入ることが難しい場所で作業できるようなハードウェアの開発も進めている。