SkyBall株式会社はJリーグ選手の練習など試合では見れないオフショット映像を届けるサッカーメディア「サカチャン」を運営している。同メディアは、プロ選手のドリブルやフリーキックをVRで体験できるコンテンツから、エンタメ要素の強い選手同士のPK対決やトレーニング映像など、幅広い動画コンテンツを制作・配信している。他にも、プロ選手のフリーキックを壁の視点から体験できるものや、選手同士がじゃれ合っている動画など、他メディアでは見ることのできないコンテンツを提供することで差別化を図っている。

大きな特徴としては、女性ユーザーの数とコンテンツの質が挙げられる。サッカーに限らずスポーツ系のメディアのユーザーが男性に偏りやすい一方、サカチャンの過半数以上のユーザーは女性になっている。その秘密はアイドル要素の強い選手が練習中にふざけている様子など、選手の他では見れない素顔を届けることができるという点にあり、これが女性のシェア拡大につながっている。スポーツ業界の求める若い女性ユーザーの獲得ができているため、クラブチームのプロモーション等業界関係者から注目を集めるメディアに成長している。

また、コンテンツの質を下げることなく、量も確保する仕組み作りにも注力している。多くのメディアがこのような類いの動画を撮影する際は、外注でカメラマンを雇って撮影するためコストも高くなりがちだが、サカチャンではそれぞれのチームに専属のカメラマンをつけて撮影を行っている。撮影から編集そして配信までを自社で一気通貫して行うことで、安価でありながらクオリティの高いコンテンツを量産できる体制を作り上げている。

テレビの特番などで取り上げられるような選手やクラブチームのオフにフォーカスしたメディアはまだ少なく、女性ユーザーに限らず、若いミレニアル世代からも支持を集めるメディアへと成長している。特に小学生など子供たちにとってはプロ選手のプレーを身近で体感できる機会はなかなかないため、モチベーションやテクニックの向上などスポーツ教育という観点においてもプラスな影響を与えることができる。

今後は、まずはサッカーで成果を残していく。その上で、野球やバスケなど他のスポーツに裾野を伸ばし、横展開を進めていきたいと考えている。