モーニングピッチ

協業事例

 

\協業事例インタビュー第二弾/

株式会社電算システム×株式会社ニューロープ

 

 

きっかけとなったMorning Pitch

2022年6月2日 Fashion Tech特集

 

協業事例カテゴリ

事業連携

 

はじめに

Morning Pitchは登壇ベンチャーと大企業との協業促進に力を入れており、M&Aや資金調達、事業提携といった領域で成果を残しています。「協業事例インタビュー」では、ベンチャーと大企業の担当者に登場していただき、どういった思いや交渉を踏まえ、協業に至ったのかについて紹介します。

第2回目は株式会社電算システムと株式会社ニューロープです。電算システムはコンビニ、電子マネー等の各種収納代行サービス、情報・決済サービス事業行う事業会社でありMorning Pitchには大手町の会場へお越しいただくなど積極的に活用されています。ニューロープは2014年、2018年、2022年とMorning Pitchに過去3回ご登壇いただいており、直近では2022年6月2日のFashionTech特集にて、ファッション特化AIで、次のクリエイションの原資を生むトレンド分析 / リコメンデーションの「#CBK」をご紹介いただきました。

 

 

【株式会社電算システム】


株式会社電算システム 決済ソリューション事業本部
EC決済サービス事業部営業推進部 部長

山崎 浩司

インターネット銀行にて、法人向け決済サービスの企画・営業に従事。2021年より株式会社電算システムにジョインし、 資金移動業や電子決済等代行業を活用した新規事業の企画・営業推進を担当。現在の関心事は、法人間カード決済やFintech企業との協業。


株式会社電算システム ICT事業本部
クラウドインテグレーション事業部 テクノロジーソリューション部 第一営業課 次長

布施 佳洋
システムエンジニアとしてWebシステム開発を多数経験した後に法人営業へ。大手企業とのパートナービジネス立ち上げなども経験。現在はデジタルサイネージ事業を推進し、コンサルティングからマーケティング支援/広告企画など幅広く顧客提案を行う。

株式会社電算システムITサービス事業本部
システムサービス事業部 第二システム部 第二システム課 課長代理
平井 大樹

情報科学芸術大学院大学(IAMAS)卒。株式会社電算システムに入社。システムエンジニアとしてモバイルアプリケーションを中心とした様々なシステムを開発。現在はデジタルクリエイティブの領域に興味を持ち、インタラクティブサイネージの企画提案・開発を推進。

【株式会社ニューロープ】

株式会社ニューロープ 代表取締役
酒井聡
自社開発しているファッション特化の画像認識AIを、トレンド分析やレコメンドエンジンに応用。EC、小売、メーカー、メディア等に提供する。

【インタビュアー】


デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社 イノベーションソリューション事業部

藤野 菜々歩

国際教養大学 国際教養学部卒。大学入学前、在学中よりオンライン英会話大手企業や資産運用会社にてインターンを経験。その後スタートアップ業界とその支援に興味を持ち2022年デロイト トーマツ ベンチャーサポート入社。

Teburi Sinageと#CBK scnnrの連携

株式会社電算システムホールディングスのグループ会社であり、デジタルサイネージ「Teburi Signage(テブリサイネージ、以下Teburi)」を開発する株式会社電算システムと、ファッションAI「#CBK scnnr(カブキスキャナー、以下 CBK)」の開発・販売を行う株式会社ニューロープが、2022年11月にデジタルサイネージ事業における戦略的パートナーシップを締結しました。
電算システムはクラウド黎明期よりChrome OSを基盤としたクラウド型デジタルサイネージソリューションを展開。近年急激に進化を続けているAIを利用して、双方向性を持つデジタルサイネージ(インタラクティブサイネージ)の開発・販売に力を入れており、2021年にはインタラクティブサイネージ 「Teburi」の提供を開始しています。
ニューロープは2014年の創業よりファッション×テクノロジーの領域で事業を展開し、昨今はファッションに特化したAI、CBKを開発。トレンド分析、レコメンドサービスの提供に取り組んでいます。この締結に伴い、CBKを導入したアパレル向けインタラクティブサイネージ「Teburi Signage for FASHION」の販売を開始し、両社協力のもと各々の強みを生かしてアパレル・ファッション向けの先進的なデジタルサイネージの開発・販売に力を入れていく予定です。

▼詳しくはこちら▼

デジタルサイネージ事業においてニューロープと戦略的パートナーシップを締結 ― 『Teburi Signage』にファッション AI『#CBK scnnr』を導入 ― 
▲Teburi Signage for FASHION

 

Morning Pitch Fashion Tech特集での出会いから、戦略的パートナーの連携を実現するまでの経緯やエピソードを教えていただけますか

山崎(電算システム): 2022年6月のMorning Pitch Fashion Tech 特集に参加させていただいて、ニューロープのピッチの中の協業ニーズに「デジタルサイネージ」というワードがあったことを記憶しています。私が所属しているチームとしては決済関連の事業での協業チャンスを探しておりましたが、電算システム内でデジタルサイネージを扱っていることは把握していたので、名刺交換の際にデジタルサイネージ事業での連携が可能な旨をニューロープの酒井さんにお伝えしました。

▲登壇時にニューロープが示した協業ニーズのスライド(デジタルサイネージ業界赤枠追加)

 

酒井(ニューロープ): 名刺交換の場では簡単なご挨拶となりましたが、そのあとすぐメールで山崎さんから担当者へお繋ぎいただきました。

 

藤野: 名刺交換からメールでのやり取り、お打ち合わせのセッティングまでのスピード感は各企業によって異なりますが、両社の連携はとても早く行われたと思います。初動で気を付けていることがございますでしょうか。

 

山崎: 登壇日である6月2日の午前11時ごろ、酒井さんからお礼と共に、デジタルサイネージソリューション関連に興味がある旨のメールをいただきました。名刺交換から2時間ほどしか経過していませんでした。当社のデジタルサイネージを含むクラウドソリューションを取り扱っている部署が適切と考え、テクノロジーソリューション部の布施に連携しました。この時点で6月8日です。

 

 

藤野: 素晴らしいスピード感ですね。その後、どのような流れで担当部署までお話が進んだのでしょうか。

 

布施(電算システム):私はデジタルサイネージの販売や提案を行う部署に所属しており、6月22日に1回目の面談を私と山崎と酒井さんで実施し、電算システムのデジタルサイネージを紹介しました。当社では様々なタイプのデジタルサイネージを取り扱っていますが、お話をしていく中でCBKは特にTeburiとの親和性が高いのではないかと考え、平井に連絡をしました。

 

平井(電算システム):私はシステムを開発する事業部に所属しており、Teburiの開発を担当しております。1回目の面談の翌日に布施からCBKとTeburiの連携について相談を受けました。もともとTeburiをAIと連携して展開していきたいという考えがあり、また、アパレル業界への導入にも興味がありました。CBKについて詳しく話を聞くため、酒井さんに面談のお願いをしました。7月14日に酒井さんからファッションAIについての説明を受け、とてもマッチすると判断して事業連携の話が進み、当日中に戦略的パートナーシップを結ぶことを両社で合意しました。

 

藤野:Morning Pitchの場で酒井さんとつながった山崎さん、そしてデジタルサイネージソリューションを推進する布施さんへの迅速なパス、さらにTeburiの開発を担当する平井さんへのお繋ぎで、具体的な連携を実現したのですね。大企業だと部署間の連携はなかなか困難ですが、電算システムはスピード感を持って進めることができました。

 

▲Teburi Signage

もともと電算システムにはそのような他部署連携や協業への意識の高さなどの文化があったのでしょうか

布施: 事業部ごとの壁があることを課題として感じており、昨年あたりから部署間での事業連携を進めていこうという取り組みが社内で始まりました。今回の協業は電算システムとしても3つの事業部が横断できた良い事例なのではと思います。

 

山崎: 会社の業務形態が縦割りになってしまっているという課題感がありました。そこで社長主導で、部門横断的に事業が把握できるように事例勉強会を2022年3月より取り組んでおり、他部署連携や協業の文化が醸成されつつあると感じています。その一環として事業間連携の推進を目指しMorning Pitchに参加しました。今回Morning Pitchを起点に、私が橋渡し役として、ニューロープ酒井さんとの連携を、布施、平井と実現できたのは、一つ目標が達成できたのかと思っております。

 

Teburiのアパレル系事業との協業は初だったのでしょうか

平井: はい、アパレル系事業との連携は初めてでした。AI連動に関しては自社で開発しようかと検討をしたこともありましたが、AIは何より蓄積データが鍵。ファッション特化でのAIデータが豊富な企業との連携が最善だったため、実績のあるニューロープと協業すべきと判断しました。

 

酒井: ファッション画像認識のCBKは、さまざまな用途に活かしうる、汎用性のあるものだと思っております。ただし、あらゆるプロダクトを自社で開発するのは現実的ではないため、もともと協業という形で進めていくことを念頭に置いていました。ベンチャーの立場として印象的に思ったことは、大企業との連携となると社内の承認のプロセスなどが煩雑化していて時間を要することが一般的な中、電算システムはかなりのスピードで進めていただいたことです。特に平井さんは実際にお打ち合わせした後に、CBKのAPIがTeburiで動作するか、1か月程度でスピーディーに検証してくださり、技術的な疑問点を解消することが出来ました。エンジニアの稼働が必要なため初期検証に数ヶ月から半年くらいはかかることも珍しくない中、プロジェクトメンバーの平井さんが自ら手を動かして柔軟にご対応いただけたことが、今回の協業をスムーズに押し進めた要因であったと思います。

 

藤野: 皆様の連携と技術面での検証の速さで戦略的パートナーシップ締結に至ったのですね。

 

▲CBK Scnnr

苦労した点などありますでしょうか

平井: 社内において、ある程度の裁量権を現場レベルでも持って仕事をしていけるような体制となっていましたので、スピード感を重視して概要のみ上層部に伝え、詳細に関しては話がまとまった後に報告しました。ただし、ニュースリリースが出せたタイミングは11月頃となってしまい、その社内手続きには少し時間がかかってしまいました。事務的な手続きには時間を要しましたが、技術面での連携の懸念も早期にニューロープと共に解決することが出来たので、振り返ってみれば良かったと思っています。

 

 

酒井: スタートアップ側として、特に苦労した点はありませんでした。ニュースリリースに関してもこちら側のリクエストにもすぐにお応えいただきました。

 

この戦略的パートナーシップの今後の目標や展望を教えてください。

 

布施: アパレルの基幹店舗などへまずTeburiの導入を進めて参ります。ファッションAIを活用することでお客様に満足いただき、店舗数を増やしていくことを目指します。

 

酒井: Teburiを通してCBKで出来ることは大きく分けて2つございます。1つは顧客が来店したときの接客支援、もう1つが来店客の服装の解析です。後者については現在、商業施設に広く導入されており、顧客のファッションデータを施設ごと・フロアごとに解析している実績があります。商業施設単位ではなく、今後導入先をその中の各店舗に広げることで、より細分化された顧客データを取得できます。データを利用していただければ、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)やディストリビューションの最適化が可能になります。我々はこのデータ活用を促進していきたいと思います。

 

大企業とスタートアップでの協業において気を付けている点や流儀などはありますか。

 

山崎: 先入観を持たずにMorning Pitchに参加し、スタートアップと何ができるかを想像しながら視聴しています。専門的な知識がない分野でも、興味を持って事業内容を理解することで新たなチャンスを逃さないように心掛けています。

 

平井: 協業において気を付けているのは協業相手の人となりです。進めるうえで信頼できる方なのか、ビジネス面でお互いがWin-Winになれるのかを意識しています。どんなに高度な技術を持っていたとしても最終的には相手をよく見て判断しています。

 

布施: パートナーだけでなく顧客であっても相手の熱意や、こちらがどのくらい相手の興味を引き出せるかが重要だと思いました。

 

酒井: スタートアップとしては大企業とのバランス感を重視しています。スタートアップだけがやる気があるような状態だと、どうしてもスタートアップ側の稼働が重くなり、フェアな関係を築きにくくなります。スタートアップはなけなしのリソースを割いているため長続きせず、結局協業が実現できなくなった経験をしています。大企業もスタートアップもお互いが意欲をもって協業に取り組んでいくことが重要と思います。

 

最後にこれからMorning Pitchに登壇するベンチャー、視聴する大企業へのメッセージお願いします。

 

山崎: オーディエンスは朝からピッチしていただくスタートアップと何か一緒にできないかと考えているので、ベンチャーはその事業内容に自信をもって発表していただければと思います。

 

布施: 自分の会社だけで完結するというのは難しいと思います。課題解決のためにはいろんな会社との出会いを大切にしていって欲しいです。

 

平井: 私が協業したいと思う方は、その熱量と人となりで変わってきます。ピッチ次第で相手の受け取り方も変化するので、そこを重視して臨んでいただきたいです。また協業は必ず相手があるものなので、プレゼン後の対応などの細かい部分も意識することが望ましいと思います。

 

酒井: Morning Pitch登壇時に協業ニーズをスライドに具体的にお示ししたところから今回の協業に繋がっています。ピッチの時間的に厳しい部分もありますが、チャンスを逃さないように、協業ニーズの提示を明確にすることが大事だと思います。

 

 

インタビュアーコメント
今回の協業のポイントは両社の初動と意思決定の速さ、そして事業連携における姿勢でした。Morning Pitchでの出会い後すぐコンタクトを取り、素早く面談に繋がりました。その裏には、大企業側の新しいことへの挑戦の意欲と部署間連携が進んでいないことへの危機感が強く影響しています。スタートアップ側も自社の協業のニーズを明確に示し、スピード感を持って対応することで、今回のような素早い連携に繋がりました。両社にとって最適解となる協業のスタイルを見つけ、他部署で連携していくことが、新たな出会いとビジネスを生み出すのかもしれません。

Morning Pitchでは毎週木曜朝7時からピッチイベントを開催し、オーディエンスとスタートアップとのネットワーキングから多くの協業が生まれています。皆様のご参加をお待ちしております!

協業報告フォーム

Morning Pitch事務局では、これまでにMorning Pitchご参加後の登壇ベンチャー様とオーディエンスの皆様との協業の事例を調査しております。

Morning Pitchがきっかけの事業提携、資金調達、資本業務提携、実証実験等がございましたら、協業報告フォームにてぜひご共有ください。

※協業された両社のご希望があれば、Morning PitchのHPにて協業事例としてご紹介させていただきますので、貴社の取り組みPRとしても活用いただけます。
※ご回答内容は事前の許可なしに公開されることはございません。

▼協業報告フォームはこちら▼
https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=8UXaNizdH02vE1q-RrmZIS5vr_J599BCkTD5lDwBhJ1UMVhXS09HRzVJODNQSVpGU00xSTBCOE5GUS4u