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2017年07月28日

Morning Pitchでは珍しくないのですが、登壇者同士がつながりベンチャー同士が提携することがあります。2017年3月に開催されたのはMorning Pitch 第183回 観光・インバウンド特集。ここに登壇していただいた株式会社ナイトレイと株式会社SAGOJOより業務提携が発表されました。

参考:「観光客はどこで何をしている?」を見える化し、最適なPR施策を提案!「旅行者行動解析・観光プロモーションパッケージ」提供開始

今回はナイトレイ社とSAGOJO社を招いて、その内容や提携の目的などを伺いました。聞き手はMorning Pitch総合プロデューサー(肩書きはインタビュー当時)の納富隼平です。

なお、両者の事業内容はピッチ概略として以下にまとまっておりますので、こちらも併せてご覧ください。
株式会社ナイトレイ
株式会社SAGOJO


株式会社ナイトレイ
代表取締役 石川 豊 氏

2005年ネットエイジ(現ユナイテッド)入社。新規事業やネット広告事業で、日々データ活用による業務推進を行う。2011年ナイトレイを創業し、ロケーションインテリジェンス事業を立ち上げ。位置情報に特化したSNSデータ収集と解析システムを独自開発し、日本国内の消費者行動データや人気施設データを提供開始。2015年、訪日外国人の行動解析サービス「inbound insight(インバウンドインサイト)」をリリースし、インバウンド対策の戦略策定・実行・検証プロセスに必須となるエビデンスデータを提供することで約4700社の企業や自治体のインバウンド戦略をサポート中。

 


株式会社SAGOJO
取締役 スガ タカシ 氏

一橋大学卒業後、紀伊國屋書店に勤務。退職後、海外25ヶ国で50人以上の若者のくらしを取材する「Biotope Journal」プロジェクトを敢行。帰国後はフリー編集者を経て、SAGOJOを共同で創業。事業開発などビジネスサイドを担当。

 


 

 

 

旅人の位置情報が瞬時にわかるようにマッピング

-業務提携の発表がありまして、本日は詳しくお話を伺いたいと思います。まずは出会いのきっかけと、どういう提携内容なのか教えていただけますか。

石川:2017年3月にMorning Pitchがありまして、そこへナイトレイとSAGOJOが一緒に登壇したことが出会いのきっかけです。(Morning Pitch後に開催している)朝食会のときに、「こんなことをしたいんですけど、できますか?」という相談をスガさんから受けました。

スガ:そうですね。SAGOJOには旅人が数千人登録しているのですが、彼らがどこにいるのか、という情報をマッピング・視覚化したかったんです。

というのも商談中、「今旅人はどこに何人いるの?」という話になることが非常に多いんです。今までもデータベースから分析して調べることはできたのですが、数字だけの情報ですし、データベースで検索をかける必要があったりと、いまいちお客様に説明しにくかったんです。ナイトレイさんはそういう分野に長けているとピッチで聞きまして、相談させていただきました。

石川:ナイトレイとしてはいつもの業務の延長にあるので、特別難しいということはありませんでした。SAGOJOのデータは既にあったので、それを提供していただいて社内のエンジニアが分析しています。

また、単に受注という形ではなく業務提携という形にしたのは、今回の分析依頼の先を見据えているからです。お互い「世の中を変えていこう」というベンチャーなので、小さくまとまっても面白くないですから。この業務提携で両社のソリューションの幅を増やして、収益化につなげていこうということです。

 

-SAGOJOは実際データ分析ができるようになって、旅人や顧客の反応はいかがですか?

スガ:これによって直接我々の収益があがる、というわけではもちろんありません。提案材料が増えるというイメージです。

アプリをまだ用意していないのでリアルタイムではないのですが、今回の提携によって、旅人がどこに何人くらいいるかがわかるようになりました。例えば北海道には旅人が何人いるよ、ということが地図にマッピングされます。

石川:その旅人がどういう経路で北海道まで来ているか、ログインの頻度はどのくらいか、といったこともわかります。

スガ:お客様からも「北海道にこれだけ人がいるならこういう仕事を発注しよう」という反応が出るようになってきて好評です。特にメディアの方は、現地の一次情報を確認しなければいけないというケースも増えてきているので、そのために旅人に仕事を発注していただく、ということもあります。

 

ナイトレイの分析とSAGOJOの課題解決で両社を補完

-SAGOJOを通して旅人に発注される仕事はどのようなものが多いのですか?

スガ:多いのはやはり取材や写真撮影ですね。鹿児島にこれから行く旅人や、既に現地にいる旅人に「鹿児島のこういう写真を撮ってきてほしい」「この人に取材してきてほしい」といったものです。「裏路地の写真を撮る」とか、自分の発想では出てこなかった仕事が旅人には好まれています。

旅人は現地を訪れないとできない体験を探しています。たとえば旅に仕事が加わることで、自分では思いつかなかった場所に行く契機になったり、地元のおばあちゃんと話すきっかけになったりします。仕事なのでお金をもらいながら、旅を楽しむことができるというわけです。旅が豊かになるんですね。

今後は物流の分野も面白いと思っています。もともと「この商品を持って行って欲しい」というニーズは少なからずあるんです。どうせ鹿児島行くならこれ持っていってと、というわけですね。

石川:離島なんかもニーズありそうですね。

スガ:そうですね。離島などはそもそも物流網が本土ほど発達していませんから、旅のついでに持っていってほしい、というニーズもあるのかなと思います。

 

-今回の提携で、ナイトレイ側のメリットはどのようなものになるのでしょうか?

石川:ナイトレイはロケーションデータ解析がメインの会社ですので、PDCAの打ち手となるような集客や販促のソリューションは提供していません。しかし、クライアントは、ただデータを分析してほしいわけではなく、データに基づいてどう行動するかを知ることができるソリューションを必要としているのです。

というわけで、ナイトレイは集客や販促のソリューションを提供している複数社と業務提携しています。例えば決済システムを提供している会社です。中国人がある地域に来るようになった際、アリペイやWeChat Payで決済をする人が大半ですが、その行動を把握するために、データとソリューションの両方が必要といったニーズがあるためです。

集客や販促のソリューションの提供元としてSAGOJOも該当します。ナイトレイがデータ分析をした結果、「こんな課題がありますよね」と分析した際に、解決のためにどうしても現地に行かなければならない場面が出てきます。そこに旅人に行っていただくといったケースを想定しています。

もちろん、旅人がどこにいて何をやるかというデータも将来的には役立ってくると思います。

元々ナイトレイはオープンになっているSNS情報の分析から事業を初めて、今は企業が保有しているデータを分析することがとても多くなっています。このように様々な種類、異なる属性のデータを分析していると、新しいインサイトを発見することもありますし、逆にこういうデータが不足しているということもわかるようになってくるんです。

スガ:SAGOJOとしてもデータ分析ができるというのは嬉しいんです。旅人を使った課題解決というのは今までになかったことなので、企業や自治体さんが面白がってくれる反面、「色モノ」に見られることもありました。しかし、データに基づいて課題を認識して、旅人がいるのでその人に対応してもらいましょうと説明すると、地に足の着いた印象を与えることができるようになるんです笑

 

旅人・仕事・予定をミックスした位置情報

-両者の取組みの今後の展開を教えてください。

スガ:SAGOJOのサービスで、将来的には、仕事情報とロケーション情報をミックスしたいと思っています。旅人がタイに入国したら、タイでやってきて欲しい依頼が瞬時に表示される、といった具合です。

その延長で、「未来の予定」と「仕事の位置情報」も一緒にマッピングしたいです。北海道への航空券を買ったら北海道の仕事情報が出て来る、といったものです。そうすれば旅と仕事のマッチングというのは、もっとしやすくなると思います。

 

-最後に、今後どのような方とどのような仕事をしたいかメッセージをお願いします。

石川:ロケーションデータの解析やマッピングなど、外に出せない内部の位置情報データの価値を一緒に考えましょう。ぜひナイトレイにご相談下さい。

スガ:旅人は日本全国にいて、彼らの動きも見えるようになってきました。彼らのリソースを使った仕事を、いろいろな方と一緒に作っていきたいと思います。

 

-石川さん、スガさん、本日はありがとうございました!